パチンコホールが行ってきたコロナ対策。その徹底ぶりは、他業種を大きくしのぐものであったと評しても過言ではないだろう。業界が一丸となって「パチンコホールから絶対にクラスターを発生させない」という強い意思を感じたものだ。
入口付近には当然のように消毒液が置かれており、自動で体温を感知する機器も多くの店で設置されている。そのため複数ある入場口の一部を閉鎖し、(お客様の利便性よりも)お客様の安心・安全を優先してきた店舗も多い。むろんマスク未着用者が遊技している姿などまず見られず、その上で台間には「飛沫防止用のボード」が大半のホールに完備されているのは周知の通り。そして、細かな換気作業や遊技台の消毒なども文字通り徹底的に実施されている。
これらのコロナ対策は、もちろん現在でも継続中。業界団体などは全国のパチンコホールへ引き続き対策の徹底を強く促している。そうした姿勢には素直に頭が下がる想いだ。そんな中、10月1日に緊急事態宣言が解除され、(ガイドラインを遵守しつつも)個別施策においては徐々に変化の兆しがみられている。
一例を挙げると、大阪府で営業している『マジックバード』や『スタジアム2001豊中店』などでは、ホームページで閉鎖していた全ての入口を開放した旨を告知していた。
●昨今の感染者数の減少を鑑みて、閉鎖していた入口を全て開放致します(また、今後の感染状況に応じて再度閉鎖させて頂く事がございます)『マジックバード』
●緊急事態宣言解除に伴い全自動ドア入口をフルオープン致します(なお、情勢により再度入口を制限させて頂く場合もございます)『スタジアム2001豊中店』
10月29日に『マジックバード2』(大阪市天王寺区)を訪れたところ、封鎖されていた2カ所の出入り口が開放されていた。また入店時の検温を省略する旨の告知があり、検温は行われていなかった。なお「入店時のアルコール消毒」「遊技台の空き台時の清掃」「営業中の手指消毒巡回」「スタッフの感染対策」といったこのほかの感染症対策は引き続き徹底している。
今年2月に同店を訪れた際、出入り口に配置されたスタッフが検温し、検温を終えると丸い小さなシールが渡された。シールは服などに貼ることで、検温したかどうかのチェックを徹底するためのものだ。また退店時にシールがゴミにならないよう、出入り口付近にシールを貼るためのボードを用意。ただシールを貼るだけはなく、「好きなチョコレートの種類は何ですか?」などアンケートに答えるという取り組みは面白いと感じたものだ。
むろん感染症対策は徹底させながらも、パチンコ店も徐々に以前の日常を取り戻し始めているといえるだろう。