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【年末企画】編集部が選ぶ、2021年パチンコ業界10大ニュース

 編集部が選ぶ本年の「10大ニュース」だが今回も引き続き旧規則機の撤去関連が上位を占めることとなった。旧規則機撤去についても再三の期限延長に伴い、改正法通りの2022年1月末となっている為「来年の大ニュース」でもあるのだが、今年1年は撤去問題に追われた1年と言っても過言ではない。昨年1位とした「コロナ禍」による関連もあって話題の顔ぶれもやはり昨年同等となっている。

むろん「旧規則機の撤去」や「コロナ禍問題」は来年以降にも大きな影響を与える重要トピックスではあるものの。10大ニュースを選定しながら「変わり映えのしない1年だった」と感じてしまったのも正直なところ。業界全体が停滞した1年。そんな風に総括できるかもしれない。それでも、来年初頭にはすぐに大量の導入・撤去を控えており、大きく変化する1年になることは確実だ。

続くパチスロ不振とパチンコの伸長

撤去の遅れに参加人口や店舗数の減少。様々なデータが落ち込みを示す一方で明るい話題も少なからず見受けられた。

機械関連ではパチンコ機に複数のヒットが生まれ、6月期に導入された「P牙狼月虹ノ旅人」は部材不足に伴う販売延期やTVCMの中止といった危機があったものの前評判以上の人気を獲得し、夏頃には中古価格が300万円を超えるなど暴騰。一部グループが超高額での調達を行い繁忙期に合わせて大量導入を行ったことも話題となった。さらに8月期には「PF 機動戦士ガンダムユニコーン」が稼働を開始。こちらは逆に前評判を覆して安定した人気を獲得し、現在もパチンコ中古機では最高値がついている。そして年末には中央ハンドルで導入前から話題を集めていた「P新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」が導入されて好スタートを切っている。出玉速度の向上や大量出玉への期待感と新規則下であっても現存する旧規則機以上の評価を得ている機械が増えたことで新規則機への移行も比較的順調だ。

一方でパチスロは低ベース化が可能となった6.1号機や有利区間制限が3000Gに緩和された6.2号機が新たに投入されたが結果は残せず。大幅に遅れているとはいえ徐々に削減されていく旧規則機と新規則パチスロの不振によって昨年以上に厳しい状況にある。機械不足やパチンコへのユーザー流出が続いており、店舗側も繁忙期を前にパチスロ減台とパチンコ増台を行うリニューアルが増加傾向にある。

6.2号機の有利区間緩和に伴っては将来的な有利区間規制の撤廃が示唆されているほか、2400枚上限について獲得枚数から差枚数へと変更などさらなる内規緩和も進んでいる。まだ詳細な内容はリリースされていないが、早期の投入が予想される一方で根本的な緩和には至っておらずユーザー減少に歯止めをかけることは難しいとの意見も多い。

2022年には「スマートパチンコ・スマートパチスロ」の投入が予定されている。さらなる緩和が見込まれ、ユーザー数回復への寄与が期待されるが予定されている導入スケジュールに対して仕様等に不透明な部分は多い。まずは目先の旧規則機撤去という大問題を解決し、そこからスピード感を持って導入まで辿り着いてほしい。

東京五輪、店舗でのワクチン接種、社会貢献に関心

昨年はコロナ禍に伴う営業自粛や感染防止への大規模投資があった一方で一部営業継続店舗へのバッシングなど社会からの評価を両面で感じた年だったが、本年はワクチン接種に店舗や駐車場を有効利用するなど社会貢献が注目された年となった。昨年以上に拡大をみせたコロナ禍においても営業自粛の圧力は弱まったほか、東京五輪開催に伴っての入替自粛等も基本的にはなく、社会や行政との距離感が縮まった1年だったようにも感じる。

また五輪でホール企業所属選手が金メダルを獲得したことや多額の報奨金を手にしたことで話題になったり、パチンコメーカーのTVCM解禁によって徐々にパチンコが大衆娯楽としての評価を取り戻しつつある。新規則機移行や業績低下といった苦境にあっても継続して行われる社会貢献が普段以上の評価を得ている。

今度こそ変革の1年に

まずは新規則機移行の達成が第一だ。ホール営業を継続するかどうかの契機であり、来年初頭は大幅な店舗数減少が予想される。一方で新規則機への完全移行やスマパチ・スマスロがもたらす大きな変化をプラスにすることが出来れば業界が攻勢に出る展開も見えてくる。これまでの不振をこれからに活かして羽ばたく、虎穴虎子を実行する1年としたい。


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