日本遊技機工業組合(日工組)は、昨年6月から「パチンコのイメージ向上」を目的に大正大学表現学部の中島和哉准教授のゼミと連携し、学生たちと業界のイメージ向上を考えるプロジェクトを実施したことを報告した。
このプロジェクトに参加したのは、広告代理店などに就職を希望する同大学の3年生7名。学生の大半はパチンコ未経験者で、今回の取り組みのために独自にアンケート調査を実施したり、パチンコホールでの遊技体験などを通じて業界の知見を深めた。
12月10日には今回のプロジェクトの集大成として、アンケート調査の結果をもとに大正大学内で「パチンコイメージ向上」の施策を学生達が2チームに分かれて発表した。
A班は友人紹介制度のあるアプリの開発を提案。パチンコ・パチスロユーザーの約8割が、遊技のきっかけは家族や親戚、友人などからの誘いという点に着目して、友人紹介制度で成功した「Uber Eats」や「TikTok」などのアプリを事例にその効果を説明した。
B班は実店舗調査で感じた初心者に対するスタッフの対応の不十分さや、アンケート調査から見えた業界の現状を踏まえて、パチンコ体験イベントの拡充を提案。また、20代パチンコ経験者への調査において、一人でパチンコホールに来店してパチンコを始めた人が一人もいないということが判明したことを受け、接触機会の増加を目的とした特設会場の設置や既存店舗内での専用エリアの常設などの重要性を説明した。
日工組では学生との共同プロジェクトを通して、若年層が抱く業界のイメージや問題点、さらに新規ユーザー獲得のための若者に刺さる効果的な施策を具体的に知ることができたと評価。そのうえで「今回得た知見は、遊技人口の減少が問題視されている遊技業界にとって、課題解決の一助となる可能性がある。引き続き、さまざまな取り組みを通じて業界を盛り上げていく」とコメントしている。