4月30日、大阪府を中心にパチンコホールを店舗展開するベラジオコーポレーション(本社・大阪市港区)の21店舗目となる新店『いちえん本舗河内天美店』が、大阪府松原市にグランドオープンした。
同店は、今年4月3日に閉店した『ニューいせや天美店』跡地での居抜き出店で、近鉄「河内天美駅」からすぐという駅前立地。なお、『ニューいせや天美店』は、2021年9月17日に居抜きでグランドオープンを果たしたばかりの店舗であり、同店の閉鎖ニュースにはかなり驚かされたもの。
ベラジオコーポレーションの出店は約4年ぶり。2018年に大阪府門真市にて『ベラジオ門真店』と『スロットベラジオ門真店』を続けて居抜き出店して以降、新規出店はみられていなかった。一方で、2021年3月に『ベラジオ大東店』(大阪府大東市)、2022年2月に『ベラジオ逆瀬川店』(兵庫県宝塚市)を閉鎖するなど、コロナ禍以降は既存店舗の整理、スリム化を進めている印象だった。
『いちえん本舗』という店名の通り1円パチンコを主体とした低貸専門店となっており、設置構成は1円パチンコ168台、10円パチスロ54台、5円パチスロ19台の計241台(※調査実施時)。設置台数・PS比率は『ニューいせや天美店』と全く同じだ。また、喫煙環境に関しては、5円パチスロ19台を除いた222台を加熱式たばこプレイエリアとし、加えて店内には1人用喫煙ブースを2基設置し、紙巻たばこユーザのニーズにも応えている。
グランドオープンから約2週間が経過した5月12日に視察すると、看板は店名に合わせた〝和テイスト〟に変えられていたものの、白い外壁はそのまま。また、遊技台周りの設備機器も前店のものを使用しているように見え、前店がグランドオープンしてから半年ほどしか経っていないこともあって、大きく手を掛けず再始動したように感じられた。
近隣に阪南大学があり、多くの学生が「河内天美駅」を利用することから、若い顧客が多いだろうと予想していたが、一部、パチスロコーナーに学生と見られる若者の姿が見られたものの、そのほとんどは年配層で占められていた。
同店はそんな駅前商圏の事情を把握していたよう。グランドオープンに先立って、4月28日・29日の両日には、60歳以上の顧客を限定としたプレオープンを実施。また、事前に会員募集を行った際には、「ちんどん屋」を起用した呼びかけを行うなど、年配層の取り込みに注力している様子がうかがえる。
甘デジの「海物語」コーナーにおいて、各台に大当り回数が書かれた札を差すことで台選びを分かりやすく促すなど、店内にも年配層に向けた取組みが目についた。
一方、『いちえん本舗』のまさに目の前で営業している『ハッピーボックス天美店』(286台)も黙ってはいない。
同店では、新店に対抗し「天美で愛され続けて37年!今こそ!感謝をカタチに!」と書かれたポスターを店内外に掲出し、老舗店舗であることを大々的にアピール。さらには、空き台がないほどの盛り上がりとなっていた1円パチンコ「海物語」シリーズの顧客を死守したいのであろう、「今までも、これからも海と共に!」とのキャッチコピーで「海物語」シリーズに力を入れていることを強調していた。また、これを機に接客にも力を入れているのか、ホールスタッフはもちろん、駐輪場を整備するスタッフからも「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と元気な挨拶があったのには驚いた。
この2店舗はいずれも全国的に減りつつある(設置台数300台以下の)小規模店だが、同店の出店を機に少しでも市場が活性化することを期待したい。
依存性に大人気のお店か
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