「パラッツォ東京プラザグループ」は首都圏を中心にパチンコホールを店舗展開する有力チェーンである。経営店舗は大半が「パラッツォ」の屋号を冠しており計22店舗を運営。1店舗あたりの平均設置台数は786台と、小中規模ホールから大型店まで多肢に渡っている。1000台を超える巨艦ホールも7軒運営しており、中でも『パラッツォ鳩ヶ谷店』は設置台数2032台を誇るマンモス店舗となっている。
そんな「パラッツォ」で印象深い点といえば、やはり一部店舗で行っていた大量のマンガ設置施策が挙げられるだろう。その規模はマンガ喫茶並みとも評せる充実ぶりである。しかし近年はコロナ禍に伴う客数減やソーシャルスペースの確保といった理由でマンガコーナーを閉鎖した店舗も少なくないようだ。
7月3日に千葉県船橋市の京成「船橋駅」にある『パラッツォ船橋店』(1113台)を視察したところ、マンガコーナー自体は残っているものの休憩席は間引きされており、1フロアに椅子は2席しか設置されていなかった。一人5冊まで遊技台への持ち出しが可能となっているものの利用者はそれほどいない様子だ。自販機のカップコーヒー1杯70円のサービスは今も続いているがレストスペースでの飲食は不可と、以前のようにパチンコを打たずにコーヒーとマンガ目当てに来店という無茶は流石に出来なくなっている。
それでも席の少ないレストスペースはマンガを読む客で埋まっているのだが、視察時は椅子がないならばと床に座ってマンガを黙々と読む客が何人も出ていた。本棚の前に座り込んだり、本棚を背にして座ったりとマナーや雰囲気は決して良いとはいえず、パチンコを打ちながら読みたい客も近寄りがたい状況に見える。これでは休憩コーナー自体を閉鎖した店舗が出るのも分かる気がした。
同店のマンガコーナーは極端な例だが、レストスペースの拡充を行った結果、パチンコを一切打つ気のない客に占拠される例は少なくないだろう。以前であればある程度は賑やかしとして許容できていたはずだが、客数や利益の落ち込みとともに、パチンコを打つ常連に還元せず打たない客にサービスを提供するという悪循環で、より自店のユーザーを追いやってしまっている。当初の狙いに戻り、レストスペース目当てでパチンコは打たない客に如何にして遊技してもらうかを考えるべき時が来ている。遊技よりもしっかりとしたハウスルールの策定と周知を行い、スタッフによる積極的な介入を行う。客寄せとしてとりあえず設置するのではなく、目的と沿った行動をセットにしたいものだ。
なお、船橋駅周辺店舗の稼働状況については店舗規模で勝る『パラッツォ』が客数500人オーバーと、一番店を堅持していた。『MEGA GODDESS』も機械不振のパチスロ専門店ながら盛況で、バラエティー機種は厳しいが「番長ZERO」や「バジ絆2」といった主力機は埋まり、加えてそれ以上に技術介入タイプがしっかりと稼働。客層は圧倒的に若年から中年層が中心で、パチスロが好きなユーザーが集まっている良い店舗だと思えた。一方で、パチンコ専門店の『MEGA DIVAS’』は設置機種の弱さもあってかさっぱり。パチンコもパチスロも打つユーザーは同じツイン店舗でも『パラッツォ』を選択している。
貧乏人が増えている!
鳩ヶ谷店はいつもボッタクリ営業です