シーズリサーチはこのほど、パチンコ業界における景気動向の判定を目的に四半期ごとに実施している「第90回パチンコ景気動向指数(DI)調査」の報告書を公表した。
過去1カ月の収益・売上・粗利などから判断される全般的業況は前回より20.4良化し、マイナス38.4ポイントまで大幅に回復した。3カ月後はマイナス32.3ポイントまで回復する見通しとなり、業況に改善傾向が見られている。そんな中で現況を「さほど良くない」「悪い」と回答した企業の理由を見ると、8割弱が「自店来店客数の減少」を挙げている。
稼動状況についてパチンコはマイナス31.3ポイント(前回比8.7良化)まで回復。パチスロはマイナス30.3ポイント(同56.0良化)となり、大幅な回復となった。3カ月後は、パチンコがマイナス35.4ポイント、パチスロがマイナス22.2ポイントと、パチスロはさらに回復する見通しとなっている。
今後3カ月間の営業施策における遊技機購入費を見ると、「パチンコ新台」はマイナス5.8ポイント(前回比22.5悪化)、「パチスロ新台」は68.6ポイント(同比64.4良化)。「パチンコ中古機」はマイナス2.8ポイント(同比13.4悪化)、「パチスロ中古機」は1.4ポイント(同比1.4悪化)。6.5号機の好調を背景に、パチスロ新台が大幅に回復。一方でパチンコは新台・中古機ともに悪化した。
自由回答では「スマート遊技機」に関して、「じり貧の稼働や売上・粗利を好転させる起爆剤になって欲しい」「スマート遊技機の導入によるレギュレーション変更は業界として喜ばしいことだと思う」など、期待する意見が聞かれた一方で、「スマートパチスロに対応した設備もほしい台数が行き渡らないなど、明るい未来に向けた要素が少ないのが現状と言える。現状維持となりそう」「販売数や方法が極めて不安定で準備不足だと感じる。今の状況なら延期したほうが良い」「機械代が高すぎる。共通枠で機械代を下げるという当初の触れコミはどこへ行ったのか」「スマートパチスロを導入するには縛りがあり、抱き合わせの新台を購入しなければならず、計画以上の購入費用がかかってしまう。メーカーサイドには機歴や抱き合わせだけでなく、適正販売をして頂きたいと思っている」といった不満の声も挙がっている。
なお、今回の調査は9月15日から9月30日にかけて実施し、72企業より回答が得られた。