編集部が選ぶ本年の「10大ニュース」。本年の1位には6.5号機のヒットとスマートパチスロ(スマスロ)の導入によるパチスロ稼働の回復を挙げる。
新規則機へと移行してから長く不作が続いていたパチスロだったが夏季のパチスロ6・5号機で、「パチスロ犬夜叉」や「パチスロ甲鉄城のカバネリ」といったこれまでのパチスロにない出玉性能が話題となり、徐々にユーザーは増加。さらに出玉性能の向上したスマスロの導入開始で市場が盛り上がりつつある。
パチンコ中心の前期、パチスロ中心の後期
年初には再三の延期を経てようやく旧規則機の設置期限が切れ、新規則機へと完全に移行した。しかしながら当時のパチスロ新規則機はユーザーが納得の行く出玉性能を有していたとは言い難い。
一方でパチンコ側は1月期に「P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.」が導入されると、最大3000発大当りのループと「先バレ」機能の中毒性が徐々に話題となり、中古価格の高騰や後の機械のスペックへの影響を招いた。パチスロ側が利益の取りづらい新規則機中心になっていた状況で、比較的利益の取りやすい「Re:ゼロ」が人気を得たことは僥倖だったと言える。
耐える期間が続いたパチスロも6.5号機のヒットからスマスロの導入開始へと良い流れを築けており、来春にはスマートパチンコ(スマパチ)の導入開始という大きな話題も控えている。人気コンテンツや新たなゲーム性の搭載に期待し、業界の再浮上を狙いたい。
しかしながら課題もまた多く残されている。ユニットあるいは機械が不足し、スマスロを導入できない店舗も多く残され、スマパチ導入に向けてさらに格差が広がる恐れがある。スマスロユーザーについても既存のパチスロやパチンコ側からの店内移動に留まっている段階であり、新規ユーザー獲得には至っていない。また既存の機械以上に利益が取りやすい、つぎ込みやすい設計であり、世界的にインフレが進行するなかで持続的に遊技出来るユーザーがどの程度残るのか、心配事は尽きない。
昨年上回るホールの閉鎖、メーカーも明暗
ヒット機は増えた一方で撤去に伴う入替やスマスロへの投資、光熱費高騰などホール側へのしかかる負担は大幅に増えており、結果的に本年の閉鎖店舗数は昨年を上回った。スマスロの導入店舗数も全体のおよそ半数にとどまっており、店舗数が圧縮されてもなお大きな店舗間格差が残っている。
スマスロ稼働が今後も好調に推移したとしても格差はさらに広がることになる。新規ホールも完全新築は減少し、大型店もM&Aの対象になり移り変わりが激しい。しかしながらスマパチ・スマスロを前提とした専門店の可能性や、地域に密着した防災特化型店舗など新しい形のホールは増えつつある。店舗数減少を22年で底打ちと出来るのか。特に小規模でも可能とされるスマパチ・スマスロ専門店が出てくるのかが最も注目したいポイントだ。
また新規則機への移行や6.5号機、スマスロによって多くのメーカーは昨年から販売台数が回復した。来春に控えるスマパチでさらに上積みを目論んでおり、ヒット機の登場に期待したい。しかし本年5月末にはパチンコメーカー高尾が破綻する衝撃的なニュースも駆け巡った。オーイズミ傘下で事業は継続されるものの製造・開発への特化により営業所を閉鎖するとしている。スマパチ・スマスロもホール間格差のみでなくメーカー間でも開発状況に大きな差があるとも言われており移行には課題が多い。
苦難の年も明るい兆し見え始める
旧規則機撤去による稼働の落ち込みから始まり、再び業界が一致団結して戦った参院選も当選まであとひと押しが遠かった。加えて世界情勢の悪化によるインフレの加速、原材料高、昨年から続く半導体不足など業界外でのマイナス要因も多い1年だった一方で、6.5号機のヒットからスマスロ導入へと繋がり、ようやくパチスロ稼働も明るい兆しが見え始めている。だが再び目立ち始めたくぎ問題や自家買いによる摘発事例など健全化に向けた取り組みもさらに進めていく必要がある。広告宣伝規制の見直しについても23年の早い段階で指針が出るとされており、転換点の一つであることは間違いない。
虎穴を探った結果として大量の店舗閉鎖や老舗メーカーの破綻を招いた1年だったが得た虎子が活躍した1年でもあった。憂いを取り除いたからこそ2023年は脱兎の勢いで行動を成してほしい。
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
©DAITO GIKEN ,INC.
8と10以外は全部自業自得
5は良さそうな話題ののようにみえるが新たな規制への序章でしょう
意識改革どころか構造改革しない限り来年も今年以上に悲劇になるだろうね