パチンコ商圏としては穴場的な位置付けの「成増駅」周辺で『コンサートホール』が大型店を出店する、『成増会館』と共存共栄できるのか

「ダイエー成増店」の跡地

東京都板橋区の「成増駅」近隣にて新たなパチンコホールが出店予定となっているのは既報の通り。南口を出て数分、「なりますスキップ村商店街」の中に位置していた大型スーパー「ダイエー成増店」の跡地である。

本年３月４日に視察した際には「地下１階・パチンコ店出店予定地」と記された看板が確認されるも経営会社は明記されていなかった。地下フロアのスペースから考えると１０００台規模の大型ホールとなることが予想されるため、何処が入るのか気になっていた方も少なくないことだろう。

改めて５月３日に現地を視察すると、経営会社として「株式会社コンチェルト」の名が追記されていた。同社は首都圏を中心に１都５県でパチンコホールを展開するチェーン企業だ。経営店舗は全て「コンサートホール」の屋号を冠しており計１８店舗を営業している。

なお、出店予定地からすぐ近くでは『コンサートホール成増パチンコ館』と『コンサートホール成増２』の２軒を営業中。そのため他企業が出店してこないように防衛的な意味合いもあると思われる。

とはいえ、現在の成増駅周辺は「コンサートホールの２店舗」と「成増会館（サンエイ）グループの３店舗」の計５店舗だけ。都内では比較的小さいパチンコ商圏といえるはず。全店の設置台数を全て足しても１４９８台しかない市場に、１０００台クラスの大型ホールを造ることはかなり思い切った戦略といえそうだ。

これだけでも注目に値する話題だが、同駅周辺では気になる動きがもう一つ。地元の老舗企業「成増会館（サンエイ）グループ」が、昨年１月に閉鎖・移転オープンさせたパチスロ専門店の跡地で新たなビルの新築工事を行っている。地上６階の建物で、完了予定は来年３月末と記載されていた。

『成増会館』の新築ビル

もともと店舗閉鎖する際にも「新店舗建設に伴い」と案内されていて、いずれ新たなパチンコホールが出店すると聞き及んでいたものだ。それが事実であれば、「コンサートホールの新店」に加えて「成増会館の新店」もオープンすることに。

さすがに既存店の整理が行われるかもしれないが、それにしてもオーバーストア（店舗過剰）となる懸念は拭えない。パチンコ商圏として穴場的な位置付けだったはずの成増駅周辺だが、果たして両グループは共存共栄できるのか。今後の動向に引き続き注目していきたい地域といえるだろう。