2023年9月期におけるパチンコホールの閉店数(休業含む)は、現時点で42軒確認されている。8月末時点での本年累計閉鎖数は400店舗を超えていたため、間もなく450店舗に。
ちなみに2020年以降の年間閉店数はおよそ600軒⇒600軒⇒800軒と推移しており、2023年も今のところ600軒が市場から姿を消すペースが続く。むろん大きな繁忙期は終わったことで、年内に閉店するホールは多少減るはずだが、それでも依然としてパチンコ業界全体の苦境は続いていると評さざるを得ないだろう。
なお、42店舗の平均設置台数は368台となり、(中規模ホールの閉鎖が目に付いた8月期と比べると)小規模店の淘汰がやや多かった。約半数が300台以下となっている。
そんな中で最多台数だったのは、(一時休業となった『ミリオン宇多津店』を除くと)岐阜県本巣郡の『ビッグマックス北方』で787台だった。運営母体となる「敬愛(マックス)」グループでは昨年末の段階で計15店舗のホールを営業してきたが、本年に入るとパチンコ事業のスリム化を一気に推進。
既存店の休業が相次いで、現時点では(売却された店舗を除くと)全店が閉鎖された状態である。新潟県のパチンコ企業「エム・アイ・ディジャパン」が一部店舗を事業承継するという話も一旦取り消されており、今後の動向が気になるところか。
また、平成興業グループの『ZENT佐野店』(490台)が閉店したことで、同グループにおける店舗閉鎖は3カ月連続となるなど、中堅以上のチェーンにおいても引き続き事業構造の見直しが進んでいた。
特に、「パンドラ」と「よろこびの街100万ドル」の屋号を冠す「アメニティーズ」グループでは、大阪府の『PANDORAおおとり店』を閉店したことで、早くも本年7軒目の店舗閉鎖となっている。コロナ禍以降でカウントすると13軒目であり、この3年間で経営店舗数は半数以下となってしまった。
とはいえ、こうした中堅チェーンでは当然のように(店内告知だけでなく)ホームページなどでも閉鎖する旨の告知を行っていて、貯玉や来店ポイントをしっかりと精算するよう促している姿勢は評価したいところだ。
一方で、9月期も(店頭だけの案内にとどまり)ひっそりと閉店・休業するホールが数多く見られたことは、いちパチンコファンとして正直残念である。42店舗中、3分の1にあたる15店舗で店内以外での閉鎖告知を行っていなかった(ホームページやツイッターなどで確認されなかった)。
来夏には新紙幣の発行により「ユニット設備の一部変更」という投資も必要となるため、閉鎖を選択するホールはこれからも多数出てくるはず。業界全体のイメージダウンを避けるためにも、「飛ぶ鳥跡を濁さず」の精神で対応して頂くことを期待したい。
警察庁発表
2020年末 9,035店(604店減)
2021年末 8,458店(577店減)
2022年末 7,665店(793店減)
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2023年9月末時点 推定7,215店(推定450店減)
(雑感)2023年末での7,000店舗切れはかなり難しい状況。おそらく7,100店舗弱は残る見込み。
最近話題のガイア倒産が実現したら、一気に記録のばすかも。