日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)は3日、東京都台東区東上野の日電協会議室において、業界紙(誌)記者を招きパチスロの自主規制に関する説明会を開いた。日電協が日本遊技機工業組合(日工組)と協議のうえで決めた自主規制における優先事項は、まず1点目にペナルティ機能の在り方の変更、次いで2点目に出玉制御のサブ基板(周辺基板)からメイン基板(主基板)への移行であると説明した。会見には、日電協から佐野慎一技術委員会委員長(副理事長)、中西馨技術部長、原田宗宏専務理事、そして日工組から山澤求常務理事が出席した。
この自主規制は、これまで主にサブ基板が制御していたATタイプを含むARTタイプの出玉制御機能をメイン基板に移行させることが目的。ART機能のメイン基板への完全移行は来年12月1日から。4段階に時期を区切ったスケジュールによって、移行を“ソフトランディング”させたい考え。
ART機能をメイン基板に移行していないパチスロの販売と新台設置期限は2015年11月末まで。同年12月1日からは、いわゆるノーマルタイプ、およびART機能をメイン基板に移行したパチスロしか販売・新台設置できない。またART機能をメイン基板に移行したパチスロでは、遊技客が交代した場合に次ゲーム以降を遊技するの遊技者が打ち方によって不利になるようなペナルティ機能を搭載できない。
現行のペナルティ方式の型式試験申請期限は、本年11月末まで。この間、メーカー間の公平性を担保するため、型式試験申請は1メーカーあたり1シリーズのみの2型式のみとした。9月16日以降に申請されたものはすべてこの2型式に含まれ、それ以上の型式を申請していたメーカーは申請を取り下げる。ただしこの期間の試射試験では、9月16日以降の変更済みの方法で行われる。この期間の適合機であっても、来年11月末までしか販売・新台設置できない。
本年12月1日からは、次の客に影響を与えないというルールを適用した新規のペナルティ方式により型式申請を行う。ただしこの新規ペナルティ方式のパチスロであっても、販売・新台設置期限は来年11月末までである。本年9月16日以前に適合済みのパチスロの販売・新台設置についても、来年11月末までとなる。
佐野委員長は、来年12月1日以降に販売・新台設置できるパチスロについて、「メイン基板にペナルティ機能を搭載するかどうかは議論の余地のあるところだが、ペナルティというものを無くそうという方向ですすんでいる」と話した。日電協では今回の自主規制についてホール系の各業界団体には9月中に説明を済ませており、反対意見などは特に出なかったとのことである。
[2014年10月6日・日刊遊技情報]