日本遊技関連事業協会(日遊協)の人材育成委員会は21日と22日の両日、東京都中央区晴海の晴海グランドホテルにおいて、新しい業界のリーダー育成を目的とした研修「第7回遊技産業マネジメント・カレッジ」を開催した。ホール業界から29人、メーカーから6人、販社から7人、その他9人の計51人が参加した。
参加者たちはグループに分かれ、「業界の未来を描こう」というテーマで、2日間かけてグループワークを実施。2日目にその成果をプレゼン形式で発表した。各グループは、課題を設定し原因を分析。コストやスケジュールも考慮した具体的な施策を策定した。課題として選ばれたのは、若年層の取り込み、遊技人口の高齢化対策、業界のイメージ良化など。対応する施策としては、新卒者を対象としたパチンコ体験ツアー、パチンコを題材としたゲームアプリの開発、ホール横断的なアイドルユニットの展開などがあった。参加者がお互いに評価した結果、高齢層向けにホールを健康施設として提供することを提案したGグループが最高得点を獲得した。
グループワーク後に行われた「次世代経営者によるパネルディスカッション」には「ぱちんこ業界のこれからの可能性」をテーマに、オーイズミの大泉秀治副社長、東和産業の岸野誠人副社長、ダイコク電機の栢森秀行社長、フシミコーポレーションの深谷太詞常務取締役の4人がパネリストとして参加した。
カジノとパチンコの差別化について問われた栢森氏は、「1番の違いは1時間あたりに使う金額。自社のデータによると、パチンコは低貸しを合わせ700円から800円で遊べるが、カジノは1時間に1万円近く消費する。最近は4円パチンコなどで単価が上昇している機種もあるが、この水準を大事に考えなければならない」と述べた。岸野氏は、「カジノは客質ビジネス。1泊2日で10万円使える人を対象とする。パチンコは客数ビジネス。ひとりでも多くの人に通ってもらうことを目的とした大衆娯楽だ」と説明した。
「遊技機とホール運用の乖離があるのではないか」という問いかけに対しては、大泉氏が「理想論で言えば、簡単で手軽に誰もがたのしめる機械が必要だと考えてはいるが、そういったシンプルに遊べる機械は今のユーザーには刺さりにくい。ホールとメーカーが協力し、新しいカテゴリーの機械をつくることを議論しなければならない」と、ホールとメーカーが協力する必要性を強調。深谷氏は、「ホールから客がいなくなる要因は、新台や利益率だけのせいではない。顧客満足度を構成するのは、勝った負けたという結果より「勝てるかもしれない」という客の期待感。それをホールが踏み潰さないことが重要だ」と、ホールによる運用論に踏み込んだ。
[11月28日・日刊遊技情報]