ダイコク電機は13日、東京都文京区の東京ドームホテルにおいて「DK‐SIS白書2015」の発刊記者会見を開催した。同書は、同社製のホールコンピューターを通じ、全国ホールの営業数値を元に書籍化したもの。会見冒頭で挨拶に立った根本弘常務取締役は、「ホールのデータをファンの声と認識し、業界活性化に役立てたい」と、発刊の意図を述べた。なおDK‐SISの会員数は3720でデータ送信台数は2016年6月末時点で142万台と、市場全体の約31%をカバーしている。
会見ではDK‐SIS室の山岸義幸室長が白書の要点を解説。2015年のホール営業の傾向として、①業界総粗利が対前年比で1800億円減の3兆3200億円にまで落ち込み歯止めがかからない、②パチンコの業績下落とシェアが縮小、③パチスロの業績は下落傾向も下げ止まりの気配、④ホールの大型化が進み、1000台以上の店舗が増加⑤全国的に損益分岐割数の引き上げが進行の5点を挙げた。
総粗利減少の主な原因となったパチンコの業績はアウト、粗利、売上ともに減少。アウト1万9330個(前年比800個減)、売上1万9497円(同1116円減)、粗利2988円(同177円減)と、すべてにおいて一段と落ち込んだ業績となった。この結果、パチンコの総粗利は2兆200億円と前年比1600億円も減少した。
一方のパチスロはアウト9354枚(前年比278枚減)、売上2万3839円(同855円減)、粗利3396円(同119円減)。山岸室長は「相対的にパチンコより悪くはないが、射幸性の低い新台ではなく、高射幸性の旧台が牽引したためで、素直に喜べない」と分析した。またパチスロについて「今後は出玉規制に引っかからないノーマルタイプのシェアが増加する」と分析。ただし「各ホールが盲目的にノーマルタイプを増やすことは、遊技客の分散にもつながり、それを避けるためにもARTタイプ、ノーマルタイプの適正シェアを見極めることが大切」と話した。
[2016年7月21日・日刊遊技情報]