編集部ではグランドオープン店舗や注目店舗、注目エリアの稼働調査を実施している。本稿では稼働調査における注目店舗をピックアップし、店舗の詳細およびその市場動向を紹介する。
今回、稼働調査を実施したのは千葉県柏市の柏駅東口周辺エリア。柏駅東口側において店舗を展開していたマタハリー(本社・神奈川県川崎市)が駅前3店舗目となる『PIA柏スロット館』を2019年4月にオープンしてからおよそ10カ月。1フロア1068台を擁する『楽園柏店』を囲むように全面対決となっていた駅前市場を1月24日金曜午後に訪れた。
今回の調査ではいずれの店舗も客付きが前回調査(2019年6月28日)から落ち込んでおりパチンコ市場自体がやや疲弊気味な結果となった。パチスロについては高射幸性機が大量に撤去された影響が大きいと思われるが、パチンコは「ウルトラ6兄弟」や「ビッグドリーム2」といった話題機がある程度導入されていたもののやや盛り上がりに欠ける稼働状況であり、年末年始からの反動減が響いている。
客層偏った『スロット館』
店舗別では最新の店舗である『PIA柏スロット館』が最も苦戦している状況に変わりはない。調査時間帯は14時頃とやや早い時間であるものの、客層は若年層が中心で高齢者層がほとんど見当たらない点が気にかかる。
同店のみ分煙施策によって遊技中は電子タバコのみ可、紙巻タバコは店内に3カ所(内1カ所は女性専用)の喫煙室で吸う仕様となっており、喫煙室に行く際はデータランプ脇に置かれた「喫煙札」を下皿に自ら刺していくスタイルである。『PIA』3店舗のうち通常貸しパチスロを扱うのは『スロット館』のみである為、喫煙室を利用する紙巻タバコ派の客は相当数おり、調査時も常に1人以上が喫煙室を利用していた。
一方『楽園柏店』は喫煙可能だが未だ喫煙ブース等は整備されておらず4月以降どのような施策を取るかは未知数。当然ながらタバコを吸いながら遊技する客が多く、『スロット館』ではほとんど見かけなかった高齢者層も多い。また一般的な店舗であれば通常貸しパチスロの「ジャグラー」コーナーは安定感があるところだが、『スロット館』は計75台を擁する「ジャグラー」コーナーに多数の空席が発生していた。隣の『楽園柏店』に倍近い台数の「ジャグラー」が設置されていることに加えて、喫煙も可能となっていることから高齢者層や「ジャグラー」中心の客がごっそりと奪われている状態である。
ただし『スロット館』は顧客の大半が若年層となっており、6号機新台の客付きはまずまず。入替やイベント等に敏感な層からは厚い信頼を得ているように見えた。パチスロ新台自体の不足によってパチスロ専門店は厳しい状況が続いていることを鑑みれば、新台供給次第で一気に巻き返す可能性もある。禁煙化や新台供給などオープン1周年を迎える4月頃にどれだけ存在感を打ち出せるか。
『楽園』は『PIA』新店オープン後も大きな動きは少なく、禁煙化や新規則移行などタイミングを待っている状況か。あるいは『PIA』の攻勢に対しても横綱相撲の構えなのか。いずれにしても数少ない大手同士の直接対決が続く有力市場であり、注目度は高い。
※本稿は2020年2月7日付け「日刊遊技情報」に掲載した記事をweb用に編集したものを掲載しております。