3.技術革新を活用した絆づくり ~業界再設計の方向性~
よく「技術が発達すると“絆”が薄らぐ」と言います。本当でしょうか?
手打ち式が無くなり、玉積みがなくなり、絆は薄れてしまったでしょうか?
答えは「否」です。“風情”は薄らいだけど、顧客と従業員の“絆”は増しました。
完全分煙・メダルレス・VRや5Gの活用などが、ホールから絆を奪うでしょうか?
おそらく「否」でしょう。新しい土台からは新しい絆が必ず生まれてくるからです。
そして、パチンコファンの年配者が技術革新から取り残されやすい層だとしたら、
パチンコを通して先端技術に触れてもらい社会の変化から孤立させないのが大切です。
先端技術で依存症・認知症・孤立を察知し、地域と連携したケアを打てる仕組みづくり。
それがパチンコ業が社会に貢献できる可能性であり方向性である。そう思うのです。
4.多くの課題・2つの決断
パチンコが社会貢献を高めるためには、多くの解決すべき課題があります。
射倖性、依存症、認知症。騒音、光線、筐体デザイン。
労務環境、業務生産性、遊技台コスト、入替コスト、メンテナンス。書ききれません。
しかし、業界のリーダーが「2つの決断」をすれば、多くの課題が前進するでしょう。
≪2つの決断≫
決断①:業界全体で完全会員制に移行、お客様情報の業界内統合。 (2024年目標)
決断②:筐体を数タイプに集約、演出の大半をVRゴーグルに移行。(2028年目標)
決断①「完全会員制」のメリットは、まず福祉課題・防犯課題の解決です。
依存症・認知症のケア、年少者防止、不正遊技者・反社会勢力排除が自働化します。
AIを活用した営業予測が加速、会員募集業務もより親身な接客に転化できます。
個人認証・与信管理と紐づいた入金の仕組みを作ってキャッシュレス化を進めれば、
新紙幣のためだけの現金サンド交換の阻止・店舗金銭管理の恒久的軽減化に繋がります。
「遊技台中心の数値管理」から「お客様中心の行動管理」への大転換が起こるのです。
ホール企業だけで創発可能なテーマであり、リーダーの方々のご英断を期待します。
決断②筐体の集約とVR演出化のメリットは、まず遊技台コストの低減化です。
盤の共用も可能になれば、複数基板搭載等で更なるコスト低減も望めるでしょう。
VRゴーグルで派手な役物演出を楽しみつつ、静かで落ち着いたホールが実現します。
筐体集約化によりメンテナンス・設定調整・部品交換の効率も飛躍的に高まります。
5G・高性能VRはまだ普及前。停滞・(世論の)幻滅を経るのでかなり先でしょう。
しかし、業界だけでなく行政・電機メーカーも巻き込んだ壮大な取り組みです。
流行り始めてから後手後手にならないよう、いまから業界内で議論を始めましょう。
≪決断について≫
いま、私は副店長という「下士官」として「会員獲得作戦」の真っ只中にいます。
エリアマネジャーという「将」の命を受け、アルバイト「兵」を鼓舞してます。
そんななかプライベートで『史記』や戦略論を読み、一つの認識を持ちました。
「戦争を始められるのも、平和を実現できるのも、「王」しかいない。」
重ね重ね、リーダーの方々のご英断を期待します。