5.決断の先にある「未来像2030」
決断と決断に基づいた業界一丸の改革は、どのような未来をもたらすでしょうか?
①各自治体の「地域包括ケアシステム」とホール顧客情報の連結
軽度の認知症・軽度の身体障害者がホールに居場所を持ち、見守る仕組みができます。
具合が悪い場合は医療施設と迅速に連携、来店が途切れた場合も行政に情報が届く。
現状は従業員の善意頼みであり、数が増えたら対応できません。
地域プレ医療の一角として存在感を出すことで、パチンコ業界が改めて認知されます。
②活き活き働く60代従業員、健康的な90代顧客
パチンコホールのヒトが格好よくなります。若者客・若年社員ではなく全体がです。
騒音や重労働から解放され、ハイテク装備と教育を受けた年配社員が活き活き働きます。
高齢のお客様もVRゴーグルを使いこなし、ロボ義足で元気に店内を歩かれてます。
年配社員の姿を見た若者がバイトに応募し、介護付き添い者が遊技に興味を持つのです。
③4号営業にこだわらない「サブスク5号営業」
射倖性および営業規制の課題を打破する方策として、「定額制ぱちんこ」があります。
月額1万5千円(税別)程度で打ち放題。ただし月間時間制限等で依存症対策はします。
景品飲食や有料会話サービスもカード決裁で促進し、利益の出るLCC業態を創ります。
6.2040年、人々を孤立と不安から護る
上述のように2030年までに取り組むべきことを考察・提案してきました。
にも関わらず、なぜあえて2040年を念頭に置くべきなのか?
それは、2040年とは日本の人口構造・産業構造が安定化する時期だからです。
世界的にも過度の欧米化にも歯止めがかかり、その地域地域で生まれた文化が
欧米化や技術革新の波を乗り越えた上で再び独自性をもって輝く時期なのです。
つまり、2040年までに「パチンコという文化・風習」を確立していれば、
パチンコは独自の日本文化として日本社会に盤石に根差すことができる。
2030年までの技術革新への果敢な対応は、あくまでその土台なのです。
お客様の楽しみ・従業員の生活を護りながら、土台の上に進化を重ねましょう。
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最後に、2040年の日本でパチンコは必要とされているでしょうか?
「はい!」と答えたい。人はいつの時代にも息抜きや繋がりを求めるから。
2003年10月の内定式の帰路、私はこの目で見ました。
お兄さんが殺人事件を起こしてから表情を失ってしまった地元の友達が、
パチンコ店から満面の笑みで出てきたのを。
これから働く業界はこんな風に人の役に立つんだと、興奮しました。
2011年6月の震災ボランティア、私はこの目で見ました。
宮城県沿岸部のホール駐車場で、店以外の接点を持たない常連女性同士が、
3か月ぶりの再会に涙を流しながら抱き合うのを。
働いてきた業界の社会的な在り方で感じてたモヤモヤ、吹っ飛びました。
どれほど技術が進化して賢くなっても、人は寂しくも退屈にもなるでしょう。
人生やキャリアの選択で間違いもするし、疲れる時や悲しい時もある。
そんな時に演出に痺れたり、従業員やなじみの常連と雑談したりで癒される。
こんな風に20年後も「人々を孤立と不安から護る業界」であり続けたい。
人々に優しくあり続けるために、社会や技術の変化に強い業界でありたい。
成し遂げるのは、私であり、読んでくださったあなたです。
以上