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【寄稿コラム】ヤクザ排除に体を張った女性店長

いささか古い言い回しだが、戦後強くなったのは女性とストッキングといわれていた。最近は草食男子に肉食女子という言葉が生まれているように、男子がどんどんひ弱になって来た。

男性社会のパチンコ業界にも数は少ないけれど、女性店長は存在する。先日その一人を取材することがあった。御年60うん歳。定年をかなり過ぎて現在は嘱託で働いている。定年を過ぎても会社が雇用している、ということは必要とされている人材であるからだろう。

店長に抜擢されたのは入社20年目の時だった。今から10数年前の話になるが地元のヤクザが客として来店していた。大人しく遊ぶ分には問題がないが、そのヤクザはアルバイトの応対に難癖をつけてくるたちの悪さがあった。ある時、パチンコ店の前に止めてあった数10台のバイク全台が倒されたる嫌がらせもあった。

地元の警察とは密に連携を取っていた。もし、対応していて難癖を付けてきた場合は、すぐに警察に電話するように合言葉を決めていた。

「キングパワー全開」がそれ。

従業員の誰かがそれを発すると警察に電話を入れる体制を敷いていた。しかし、警察が来るまでは誰かが応対しなければならない。アルバイト・社員を守るためにも、自らヤクザの前に出て行った。

「びくびく、おどおどしていたら相手に付け込まれるので、とにかく肝っ玉を据わらせました。売り言葉に買い言葉にならないように、言葉を考え、言葉尻を取られないように言葉を選びながら応対しました」

ヤクザも女性店長だと拍子抜けしたのか「ネエチャン、オバハンやけど女でよかったな。ワシら女相手じゃ、いいたいことの3分の1も喋られんがな」とヤクザの幹部は女性相手では喧嘩にならない、と怒りの矛を収めた。

この時、女性店長はヤクザ排除は女性に限ることを実感した。まず、女性なので相手がどんなに凄んできても手を出してくることはないと思った。

しかし、ヤクザが引き上げ、事務所に入った途端、今までの恐怖心からしばらくは体の震えが止まらなかった。

警察からも何かあったら通報するようにいわれていたので、ことあるごとに警察がホールに出入りするうちに、ヤクザの足も自然と遠のくようになった。

ヤクザ対策の秘訣については「相手の言い分をよく聞いて、どうして欲しいのかを引き出すこと。最終的にはカネが欲しいので、『会社からは一銭も出せない』とキッパリと断ると『じゃ、ネエチャンのポケットマネーを出せや』といってきました。その時『ポケットマネーを出せるぐらいならここで働いていませんよ』とユーモアでかわしました」。

今でもたまにヤクザが姿を見せるが、大人しく遊ぶ一般客になっている、という。

この元女性店長は勤続31年目を迎えている。こうした貴重な人材を育てるにはやはり時間はかかるが、こういうベテラン社員がいるパチンコホールは、おしなべて古くからの固定客をがっちり掴んでいる。


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  1. 南国、島唄、めんそーれ、イミソーレの島によくいたなぁ。5号機に変わるぐらいで一気に見なくなったけどまだいるんだねぇ

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