【拝二刀のパチンコ喜怒哀楽】店側が安く購入できるだけではＰＢ機とは言えない、パチンコファンにとってお得感のあるモノにしなければ

ダイナムＰＢ「ごらく」サイト

突然ですが皆さんは「プライベートブランド（ＰＢ）」と聞いてどんなものを想像しますか。例えば全国的なチェーンストア・イオンの「トップバリュー」製品とか、セブンイレブンの「セブンプレミアム」など色々とありますよね。

ＰＢとは「小売り側などが企画して独自の商品を開発・販売する」という定義だと思います。消費者側にとっては、同じ品質の一般製品である「ナチュラルブランド（ＮＢ）」よりも安く購入できるなどのメリットがあります。同じ商品で比較し特にこだわりのないモノならば、安い方を選択してしまいますよね。

では、パチンコ・パチスロのＰＢ機は如何でしょうか。これは本当に上手くいっているんでしょうか。個人的にはかなり疑問を持っています。

ちなみに現状でＰＢ機を多く発表しているのが、日本で最多出店している『ダイナム』です。グループを合わせると約４５０店舗近く出店しています。これは全国パチンコ店の約６％を占める計算に。

そんな『ダイナム』では「パチンコ・パチスロを真の大衆娯楽にしたい」という目標があり、安価で楽しめるようにＰＢ機の開発や低レート営業を積極的に行なっているようです。ＰＢ機を開発することで、ＮＢ機を購入するよりも安く仕入れられ、その残りの予算でユーザーに還元しているとのことでした。

では、現在までどれくらいのＰＢ機が発表されたのでしょうか。現状では約８０型式・約８万台の遊技機を登場させたと推計されます。１型式でロッド数は前後しますが、だいたい１０００から１５００台ほどではないかと。

そして本題はここからです。それだけ多くの台数をＰＢ機として発表したのは大変に素晴らしいこと。しかしこの中で最長設置期限となる６年間ロングランできた機械はどれだけあったでしょうか。同社には恐縮ですが、残念ながらそこまで設置できた機種は片手で足りるくらい。言い換えれば、ユーザーの記憶に残っているＰＢ機などごく僅かでしかないのです。

私自身が機種名を出すとすれば２機種しかありません。まず第１弾ともいわれる「ＣＲ満願チューリップＶＬＯ５１」（大和工業）。大当り確率が２３．４分の１の一般電役タイプでしたが、時間効率も良くて羽根モノ感覚で楽しめました。そしてもう一つは「ＣＲＡスーパー電役ナナシーＤＸ　ＤＳ」（豊丸産業）です。豊丸産業往年の名機「ナナシ―」のリメイク版でしたが、こちらは『ダイナム』のイメージキャラクター「モーリーズ」を液晶に盛り込んだ仕様となっていました。

この２機種だけ。それ以外に記憶に残るＰＢ機が見当たらないのです。それはなぜでしょうか。その原因はいくつか考えられますが「スペックが尖りすぎてしまって辛い」こともその一つでしょう。

例えば２年前に発表された「ＰＡ満開花火ＧＯ」は、同社久々のオリジナル機でした。開発の段階から同社が入って、その開発費用も抑えることができました。もちろん同社グループしか導入できない機種で、これこそＰＢ機といえるものでしょう。

ところが６段階設定の大当り確率が５５～６７分の１にも関わらず、大当り終了後の１０回転ＳＴ中の確変確率はほぼ変わらないものでした。しかもそのＳＴ中に大当りしないとラッシュに突入しないのです。さらに１０ラウンド大当りも１パーセント未満でした。

とある店舗では１０台導入して最初は高稼働でした。しかし２カ月後には減台、更にその２カ月後には２台だけに、やがて１年も経過しないうちに撤去となりました。同じＳＴ機ならば「甘海シリーズ」を打っていたほうが良いと誰しもが思います。

「お客様の声をカタチ」にして、ユーザーにパチンコ・パチスロを気軽に安心して楽しんでもらう意図がＰＢ機にある同社ですが、ならばもっと名機と呼ばれる機械が数多く存在して欲しいものです。そしてＰＢ機ならば打っていて当たりやすかったり、出玉などでもお得感のあるモノにしなければいけないと思います。

店側が安く購入できるだけではＰＢ機とは言えません。パチンコファンがもっと遊びやすい機械を作っていただきたいものですね。