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前作踏襲で新作らしさは弱いが同等の打感、「海物語」のような安定感あるシリーズ機へと変化【試打コラム「ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン Type レイ」】

導入初日、実践を行った店舗は1列規模12台の導入で開店からの新台解放だったが午後の店舗到着時にはいくつか空席が出ていた。遊技中も多少の入れ替わりが発生しつつも空席が残ったままの時間が多く、社会人が増える18時以降になってようやく席が埋まっていた。なおスマパチ版も数台導入されていたが常に空席があり、P機以下の訴求力であることは間違いない。

まず本機の大まかな評価としては、前作と大差がない一方でネガティブな点も同様に少ないため、新機種らしい爆発的な稼働貢献は続かないが前作か本機でユーザーの好みに合わせた選択肢が広がることで総合的な貢献向上が見込める可能性が高い、というあたりに落ち着くのでは。

演出バランスやゲーム性は映像こそ新規だが完全に前作を踏襲しており、シンプルだがストレスなく打ち込めるという前作がヒットした最大の要素(と個人的に感じている)がしっかりと継承されているため、初動の段階でネガティブな印象が広がって急激に稼働が落ち込むということはひとまずなさそうだ。

ただし新規作品にもかかわらずあまりにも前作らしい打感となっており、スペックに大きな差がないことも相まって映像を入替えただけの追加バージョンのようになってしまっている点は否めない。新規映像も劇場版1作分をベースとしているため、通常時の演出は発展の少ないシンプルなつくりも影響してボリュームの少なさが辛い。メインの発展先となるバトルSPも期待度の差から一部の演出へ偏るため、見どころに欠ける。多数の演出カスタムも搭載されているが数時間遊技した段階ではそれぞれの占有率も特に高くない印象と、多数のユーザーがすでにスマホに目を落としながらの遊技となっていた。一方でRUSH中は前作よりも多彩な演出が搭載されており、カスタムも豊富とリピート要素が集約されている。

良くも悪くも通常時は完全に割り切ったつくりとなっている部分についてはユーザーによって評価の分かれる部分ではある。

その他気になる部分としては盤面デザインから「初号機」の姿が消え、おなじみの咆哮ギミックは「改8」や「新2」といった機体になっている。初の「シン・エヴァ」中心の演出群であるため、映画を視聴していないユーザーがどの程度違和感なく遊技出来るかは稼働開始から少々時間が経たないと明らかになってこない。筆者も「シン・エヴァ」は劇場で一度観ただけであり、話のあらすじはなんとなく知っていても数字図柄に描かれている新キャラが誰なのか途中まで思い出せない程度の解像度である。見知ったキャラやギミックが減り、枠に乗っている長髪の綾波レイがなぜ長髪なのかもおそらくはプレミアか大連チャンをしなければわからない。盤面の下部で回転するギミックは一体何がモチーフなのか。打感に変化はないが大きく変わった映像面にすべての年代のユーザーがついてこれるのか、という点が最大のマイナスだ。

総合的にはバランスも良く、懸念点も少ない機械ではあるがP機だけでおそらく4万5000台超、スマパチも合わせて6万台オーバーという導入数だけは非常に苦しい。「15」も来夏には検定切れを迎えるために今後の新店向けを中心に中古機大量導入の需要はあるが、初期台数を抑えて増産中心だったほうが最終的な貢献週は伸びたのではないか。年末年始は最低限、既存の「15」にプラスアルファが期待できるが結局「エヴァ」シリーズの台数・客数を維持か減少ペース低下に抑える働きまでで終わると思われる。

前作「15」でV字回復を遂げた「エヴァ」シリーズの今後を占う機械ではあったが、さらなるヒットよりも広げたシェアの維持が目的と思われるつくりであり、今後も同様のゲーム性やスペックを踏襲して新機種導入時の話題性でヒットを狙うタイプから「海物語」シリーズのような新機種導入時の盛り上がりは弱いが安定した中長期貢献の見込めるシリーズへと立ち位置が変わる転機にあたりそう。


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