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全日遊連・全国理事会における警察庁保安課の小堀課長による行政講話(全文掲載)

次に、営業所のATM等の撤去等についてです。ATM及びデビットカードシステムについては、基本計画において、ぱちんこ業界が、本年度中に、その撤去等に向けた検討に着手し、その結果に基づき順次、撤去等を推進することとなっています。基本法により設置されたギャンブル等依存症対策推進関係者会議では、複数の委員からATMに対して厳しい意見が出されているところ、こうした議論を踏まえ、同会議等において賛同が得られるかという視点にも考慮した上で、業界として基本計画に基づく取組を推進するようお願いします。この点、先日、日本遊技関連事業協会の会員である複数のホール経営企業が、現在営業所に設置しているATMについて順次撤去していくこととしたと承知しておりますが、他の事業者や事業者団体に先んじて取組を進められることを高く評価したいと思います。貴連合会におかれましても、業界内でのこうした動きを十分に踏まえ、着実に取組を推進されることを期待しております。

次に、出玉規制を強化した遊技機の普及については、令和3年春までに、全ての遊技機を新規則に適合するものに入れ替える必要があるところ、本年の後半には新規則機に対する需要が相当な量となり、供給が追いつかないことも懸念されることから、引き続き、計画的に旧規則機の撤去等を進めていただきますよう、よろしくお願いします。

さて、今申し上げたようなギャンブル等依存症対策の実効性を最大限に確保するためには、徹底したPDCAサイクルにより計画的な取組を推進することが重要であるとされております。そこで、今般新たに行われる一般社団法人遊技産業健全化推進機構による依存防止対策の実施状況調査等を通じて、各ぱちんこ営業所における取組の実施状況について、PDCAサイクルの中で的確に把握し、適宜改善を促進してもらいたいと思います。

また、基本計画には、警察が行うべき取組も記載されており、各都道府県警察においては、ぱちんこ営業所に対する立入り等を通じて、依存防止対策に係る措置が適切にとられているかの確認を随時行うこととしておりますので、御承知おきください。

さらに、基本法においては、毎年5月14日から同月20日までをギャンブル等依存症問題啓発週間と位置づけているところ、昨年は初日の5月14日に「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」が開催され、多くの方が参加されたと承知しています。本年以降も引き続き、ギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深めるという啓発週間の趣旨にふさわしい取組がなされることを期待しています。また、個別のホール企業の取組として、依存による問題の予防と拡大防止に向けたセミナーを地域の自治体の保健福祉部局等とともに継続開催しているといった事例を把握しているところ、今後の普及啓発に係る取組として参考にしていただきたいと思います。

そのほか、自助グループをはじめとする民間団体等に対する経済的支援については、昨年11月、貴連合会を中心に新たに「パチンコ・パチスロ社会貢献機構」を設立されたものと承知しておりますところ、引き続き、ぱちんこへの依存問題の予防と解決に取り組む団体等に対する積極的な支援をお願いいたします。

以上、ぱちんこへの依存問題への対策についてお話ししてきましたが、この依存問題については 国会や報道等においても大きく取り上げられており、皆様の業界としての取組が注目されています。昨年9月19日付けで、貴連合会を始めとする各ホール関係団体に対し、基本計画に掲げられた各施策に係る先進的な取組について、随時報告していただくことをお願いしたところです。昨日も、先ほど申し上げた各種依存防止対策に関する取組について報告を受けたところでありますが、警察庁としてもこうした取組については引き続き積極的に紹介していきたいと考えておりますので、各営業所や各事業者団体における創意工夫ある率先した取組に期待しています。

射幸性の抑制に向けた取組について

次に、射幸性の抑制に向けた取組についてお話しします。

射幸性の抑制に向けた取組として、業界を挙げて、新基準に該当しない遊技機の撤去に努めていると承知しております。そのうち、「特に高い射幸性を有すると区分した回胴式遊技機」については、昨年から延期されていた各営業所における設置比率を15%以下とする削減目標について、その期限を本年1月31日までとし、また、元々本年1月31日までに各営業所における設置比率を5%以下とするとしていた目標については延期する決議をされたと承知しております。一方で、業界の一部では、当初の目標達成に向けて会員企業に対し積極的に周知を徹底する取組もなされていたと承知しております。ぱちんこへの依存問題等により、ぱちんこ業界に対し、国民から厳しい視線が向けられていることをよく認識した上で、依存防止対策と同様に、各営業所、そして各事業者団体が率先して積極的な取組を進められることを期待しています。

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