パチンコ店の「アイドル店員」にはいくつかの共通項がある。ツイッターやスマホの画像アプリなどを器用につかいこなし、勤務先はもちろんのこと自分自身のアピールポイントも知っている。年齢はどちらかといえば若く、これまでのインタビューでは正社員のケースが多かった。
しかし、今回のインタビューに応じてくれた『トワーズ麻溝台店』(神奈川県相模原市)のモエさんは、2年半ほど前に採用されたアルバイト。今年の6月から同店のPRをひとりで担うことになった。重要な役割だけにモエさんは勤務先のPRについてどのような思いをいだきながら取り組んでいるのだろうか。
去る11月19日に同店を訪ね、詳しく話を聞いてきた。
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得意料理は〝きんぴら〟
「はじめまして。麻溝台店のモエです。よろしくお願いします」
初対面で感じた印象は、とてもおだやかそうな感じの女性だった。彼女は1995年生まれの25歳。年齢なりの落ち着きというより、そもそもおっとりとした性格のようだ。雑貨店や飲食店などでの勤務経験をもつ。『トワーズ麻溝台店』のアルバイトに応募したいきさつは、「いま住んでいる家の近所で仕事を探していました」とのこと。
「仕事の内容に特別なこだわりがあったわけでなく、時給もいいし、接客の経験が生かせそうだな、と思ってここに決めました」
みずからパチンコやパチスロを楽しんできた経験こそなかったが、アルバイトをするようになって気づいたことがあるという。
「お客さまの多くが近隣の方だからなのか、みなさんとても気さくでフレンドリーなんです。麻溝台店で働きはじめる前に友人から誘われてパチンコ店へ行ったとき、遊びに来ているひとたちが黙々と遊技に耽る姿をみて、自分にはよくわからない世界だな、と感じていたのに意外でした」
そんなモエさんもいまや『トワーズ麻溝台店』を代表する従業員のひとり。アルバイトでありながら店のPR担当に選ばれた理由は何か。モエさんの近くにいた同店のリーダーは、「当店のお客さまから人気があり、とくに若い世代の方々と年齢が近く、ぴったりだと思いました」と答えてくれたが、もちろんそればかりが選定の基準ではないだろう。モエさん自身はこう話す。
「ほかに候補者がいらっしゃらなかったので、なんとなく決まっちゃったみたいです。でも、自分のアカウントで趣味のツイートをしていたので、わたしが選ばれたのかもしれません」
結果的にモエさんにPR担当を任せた選択は正解だったに違いない。彼女はツイートを繰り返すにあたり、貴重な武器をいくつかもっていた。そのひとつが料理。ほぼ毎晩のように食材を買ってみずからつくる。パチンコ店のPRとはまったく関係のない話題だが、食への関心は万民共通。普遍性が高い。ツイッターにUPされた料理の画像はどれも色鮮やかで食欲をそそる。
「得意料理ですか? 和食が好きなので〝きんぴらごぼう〟です」