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パチンコメーカーの高尾が民事再生法適用を申請 平成30年の販売製品問題により業績が悪化、改善に至らず

パチンコメーカーの高尾(本社・名古屋市中川区)は30日、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い、同日付で同裁判所より保全処分命令の発令を受けた。

同社が債権者宛てに送付した文書での説明によると、平成30年に発生した同社販売製品の問題以降、売上は急激に減少するとともに損益が悪化し、令和元年12月期には多額の営業損失を計上。業績の回復を図るべく、新たなパチンコ遊技機の企画・開発に取り組んできたが、令和2年以降には新型コロナウイルスの感染拡大の影響でパチンコホールの廃業が増えたことなどにより売上はさらに減少し、資金繰りは極めて厳しい状況に。

その後も、厳しい資金繰りの中で自力再建を目標に取り組んできたが、足元の業績も好転するまでに至らず、対応策を協議している中で「このまま事業を継続すれば却って関係者に迷惑をかけることになる。この事態を回避するためには、法的な再建手続である民事再生手続開始の申立てを行うほかはない」との判断に至り、今回の措置となった。

また、今回の措置は事業の維持継続が前提であるとし、パチスロメーカーのオーイズミが民事再生手続下での同社支援を表明し、すでに支援策の具体的検討を開始したとしている。

同社の人気タイトル「カイジ」シリーズの「P弾球黙示録カイジ5」

高尾は、昭和25年8月に創業(当時の社名は「高尾製作所」)したパチンコ機の開発及び製造、販売を行う製造メーカー。「弾球黙示録カイジ」をはじめ、「一騎当千」や「クイーンズブレイド」などシリーズ化している人気タイトルを販売している。

債権者に送付した文書は下記の通り。

債権者の皆様へ

株式会社高尾
代表取締役社長 内ヶ島隆寛

拝啓 日頃から弊社とお取引をお願いしております関係者の皆様には、ひとかたならぬご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、弊社は、初代内ヶ島正一が昭和25年に創業した「高尾製作所」の時代から、パチンコ遊技機の製造メーカーとして、これまでパチンコホール及びユーザーの皆様にご満足を頂けるパチンコ遊技機を企画・開発製造し、販売をして参りました。

しかしながら、平成30年に発生した弊社販売製品の問題以降、弊社売上は急激に減少するとともに損益が悪化し、令和元年12月期には多額の営業損失を計上するに至りました。

弊社は、業績の回復を図るべく、新たなパチンコ遊技機の企画・開発に取り組んで参りましたところ、令和2年以降において、新型コロナウイルス感染症がパチンコ遊技機業界全体に大きな影響を与え、多くのパチンコホール様が設備投資を控え、もしくは廃業をされたことにより、弊社の売上はさらに減少することとなり、弊社の資金繰りは極めて厳しい状況が続いて参りました。

その後も、弊社は、厳しい資金繰りの中で、債権者の皆様に支払いを繰り延べていただくなどのご協力を賜りながら、なんとか本日まで自力再建を目標に邁進してまいりました。

しかしながら、足元の業績も好転するまでに至っておらず、このような現状の下では、抜本的な対応が必要であると考え、専門家の方にもご相談し、対応策を協議してまいりましたところ、このまま事業を継続すれば、却って関係者の皆様方にご迷惑をおかけすることになることは必至であり、この事態を回避するためには、法的な再建手続である民事再生手続開始の申立てを行うほか途はないと判断するに至り、本日、東京地方裁判所に対して民事再生手続開始の申立てを行い、同日付で同裁判所より、保全処分命令の発令を受けた次第です。

弊社は、これまで皆様のご支援・ご協力、そしてお取引をお願いしている関係者の皆様のお引立とご協力をもとに経営を行ってまいりましたが、このような事態となりましたこと、誠に申し訳なく、衷心より深くお詫び申し上げます。

民事再生手続は、破産手続とは異なり、弊社事業の維持存続を前提として、弊社を再建する手続です。今後は、東京地方裁判所及び同裁判所が選任した監督委員のご監督の下、一日も早く弊社を再建できますよう、従業員一同全力を傾注し、皆様のご迷惑を最小限に食い止めるために努力してまいる所存でございます。

また、事業継続にあたり、株式会社オーイズミ様より、民事再生手続下での弊社支援の表明を頂戴し、早速、弊社支援策の具体的検討を開始していただいております。

皆様には、何度お詫び申し上げても十分ということはございませんが、何卒皆様におかれましても弊社の事情をご賢察の上、ご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

敬具

©福本伸行/講談社 ©福本伸行/講談社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ ©福本伸行/講談社・VAP・NTV


コメント:28件 コメントを書く

  1. また、倒産ですか?倒産がいいのか悪いのか。まあ、メーカーはライバルが減ってうれしいだろうが。高尾はマニアックで好きでしたがね。支援でブランドは継続するのかな?それとも奥村のように名前も消えるのか?

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  2. 平成30年に何かあったかなと思い起こしてみると、パチンコのカイジがメーカー公称値と実数値に乖離があるなんてことが問題になってましたね。でもその後の信用を大きく落とすほどのことだったか、他に何か別の問題が同年あったのか…

    個人的には元々規模が小さいメーカーは生き残りが難しくなっているということだと思ってます。パチンコ人口がただでさえ減少していふ昨今、テレビCMを賑わすような大手メーカー以外は開発やプロモーションで置いていかれているのでは。

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