×

余暇進・令和5年度秋季セミナーで警察庁保安課の坂ノ上課長補佐が講話(全文掲載)

余暇環境整備推進協議会(余暇進)が11月8日に開催した令和5年度秋季セミナーにおいて、警察庁生活安全局保安課の坂ノ上圭佑課長補佐が行政講話を行った。

坂ノ上課長補佐は、ぱちんこ営業の健全化を推進するうえで特に必要と考えていることとして、「広告・宣伝の運用」「ぱちんこへののめり込み・依存防止対策」「ぱちんこ営業に関する不正防止対策」「遊技機の流通における業務の健全化」「業界の社会的地位の向上のための取組」について言及。このうち1点目に挙げた「広告・宣伝の運用」については、ガイドラインを理解していないと思われるものや、あえてガイドラインを潜脱する形で行っていると思われるものが見受けられると指摘したうえで、「このような状況が続けば、ガイドラインがより制約的なものとなり、広告・宣伝の選択肢が狭まることで、業界全体にとってマイナスになることも懸念される」との考えを述べ、広告・宣伝の健全化に向けた取組を要請した。

以下、講話の全文を掲載する。

※ ※ ※

本日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会の令和5年度秋季セミナーが、昨年に引き続き、会場で開催されましたことを、まずもって心からお慶び申し上げます。そして、皆様方におかれましては、平素から警察行政の各般にわたり深い御理解と御協力を賜っておりますことに対しまして、この場をお借りしてお礼申し上げます。

さて、本日は、せっかくの機会ですので、ぱちんこ営業の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることについて、何点かお話をさせていただきます。

 

1点目は、広告・宣伝の運用についてです。

広告・宣伝の取扱いに関しましては、昨年末に新たな警察庁通達を発出し、本年にはその趣旨を踏まえた広告宣伝ガイドラインが業界の自主的取組として策定されました。業界団体においては、ガイドラインの対象とする広告・宣伝の類型の追加等、ガイドラインの充実に向けた作業を進められていると承知しております。

一方、ガイドラインに違反するとして業界団体において是正勧告を行った広告・宣伝の実例や、ガイドラインを補足する通知文書やQ&Aを見ると、ガイドラインを理解していないと思われるものや、あえてガイドラインを潜脱する形で行っていると思われるものが見受けられます。このような状況が続けば、ガイドラインがより制約的なものとなり、広告・宣伝の選択肢が狭まることで、業界全体にとってマイナスになることも懸念されます。

また、最近では、SNS等を利用し、第三者の立場を装いホールの設定状況等を示唆する広告・宣伝が業界において問題になっていると承知しております。広告・宣伝であるにもかかわらず、広告であることを隠す、いわゆる「ステルスマーケティング」については、本年10月から景品表示法違反とされており、このような広告・宣伝は、風営適正法の観点からだけでなく、景品表示法の観点からも問題であると言えます。

引き続き、業界においては、警察庁通達やガイドラインの主旨を踏まえ、業界の広告・宣伝が世間に与えるイメージの観点から、どのような広告・宣伝が業界にとって中長期的にプラスになるのかを考えた上で、引き続き、広告・宣伝の健全化に向けた取組を推進していただくようお願いいたします。

2点目は、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策についてです。

昨今、オンラインカジノを巡る問題が指摘されたり、大阪のIR区域整備計画が認定されたりする中において、ギャンブル等依存症に係る問題も取り沙汰されております。ぱちんこ営業は、これらのギャンブルとは異なるものではありますが、業界においては、ギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づき、のめり込み・依存防止対策を着実に推進していただいております。

そこで、基本計画に関し、具体的に何点かお話しします。

まず、アクセス制限に関する取組として、自己申告・家族申告プログラムの導入促進等についてです。

自己申告・家族申告プログラムについては、本年9月末現在で約6000店舗で導入されていると承知しております。導入店舗数自体は着実に増加していますが、全体の導入率は伸び悩んでおり、また、都道府県ごとの導入率に大きな差があることも事実です。今後は、申告プログラムが導入されていることを前提として、その利用促進や利便性向上を図る必要があることを踏まえれば、そもそも申告プログラムの導入すらしていない店舗にあっては、のめり込み・依存防止対策に消極的であると解せざるを得ないことから、個別の店舗に対するもう一歩踏み込んだ導入の働き掛けをお願いいたします。

また、既に一部のチェーン店においては、申告プログラムの一括申請を可能とする仕組みを導入しているところもあると承知しております。業界においては、このような先進的な取組を参考としつつ、申告プログラムの利用促進や利便性向上の観点から、インターネットを利用した申請の仕組み作りや、ユニットシステムを活用した申告プログラムの運用の働き掛け等の取組も検討するようお願いいたします。

次に、業界の取組に係る第三者機関の活用についてです。

ぱちんこののめり込み・依存防止対策について第三者の視点を取り入れることは、その実効性確保の観点から重要であります。これまでも、業界においては、パチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議による評価・提言を踏まえ、取組の改善を図ってきたものと承知しておりますが、引き続き、評価・提言を真摯に受け止め、積極的に対応していただくようお願いいたします。また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構によるのめり込み・依存防止対策の実施状況報告書においては、都道府県ごとに取組の実施状況を詳細に分析していることから、これを活用し、取組が不足している都道府県に対する働き掛けをしていくことが、業界全体の取組の底上げにつながると思われます。引き続き、これらの第三者機関によるチェック機能を有効に活用し、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策の改善をお願いいたします。


コメント:3件 コメントを書く

  1. 換金が行われていることはご存知なのでしょうか。

    4
    1
  2. 全日遊連だと保安課長がリボンつけて出てくるのに
    ここは補佐なのな
    つまりそれほど重要だとは思われてない?利害があるのか?

    4
    0

次のページへ >

© 2024 パチンコ・パチスロ業界のニュースサイト「パチンコ・パチスロ情報島」