東京都では新型コロナウイルスの感染者が200人を超える日もあるなど、すでに第2波が到来している状況だ。そうしたなか、都内ばかりか地方のパチンコ店でも従業員の感染が明らかとなり(※参照「従業員のコロナ感染により休業中の『ダイナム松阪店』、消毒を終え18日より営業再開」、「仙台市のパチンコ店『パラディソ二日町店』、従業員のコロナ感染で13日より自主休業」)、感染予防対策の徹底にくわえ、その後の対応もさらに重要になってきた。
従業員の感染が判明したあと、パチンコ店はどのような対応をとるべきか。都内の保健所に聞いてみた。
「クラスターの発生がなく、お客さんまたは従業員同士の濃厚接触が認められない場合、保健所としては当該店の事業主や管理者に感染経路と考えられる場所のふき取りなどをするよう助言しています。ただ、ふき取りに用いる薬品や消毒作業を代行する業者の指定はしていません」
つまり感染者が生じても店内の消毒については自己判断となり、消毒に必要な費用も自己負担となるわけだが、店頭やホームページなどで感染者の発生を公表する以上、徹底的な消毒を実施しなければその後の「安心・安全」は謳えない。そこで気になるのが消毒を清掃業者などに依頼する際の費用だろう。「消毒」「コロナ」「依頼」といったキーワードを用いてインターネットで調べると、消毒や除菌清掃を専門とする業者のホームページが閲覧できる。パチンコ店など事業所における新型コロナウイルスの除菌作業に関しては、100平方メートルあたり10万円前後となるようだ。
一方で依頼した消毒や除菌をおこなわず、費用のみ請求してくる「消毒詐欺」に警告を発する情報もあり、見積りとあわせて業者の評価・実績はしっかりみきわめていく必要がある。
また、保健所には感染者発生当該店の近隣から自身の感染に関する問い合わせも多数よせられているという。
「感染者の発生を公表された事業所やその周辺に保健所の職員が出向き、PCR検査を実施してほしいというご要望もありますが、感染者との濃厚接触が認められたり、新型ウイルスの影響だと思われる症状が出ていたりするケースをのぞき、とりあえずは経過観察をお勧めしています。それでもなおご心配であれば、自費でPCR検査を受けられる医療機関もありますので、そちらでの検査をご案内しています」(保健所)
現状ではまだパチンコ店従業員の感染が公表された事例は少なく、公表があったとしても感染経路などは詳しく示されていないため、近隣住民が不安を感じるのは無理からぬところ。感染者の有無にかかわらず、事業者は今後も感染症予防対策に全力を挙げて取り組むべきだろう。
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