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2022年のパチンコ業界を振り返る【2月編】ベニヤだらけのホールが続出して6号機不振が嘆かれた

新規則機イヤーとなった2022年。パチンコ業界における長い歴史の中でも節目の1年となったことは間違いないだろう。実に様々な出来事があったものだ。そんな中で今回は2022年2月の出来事を振り返ってみたい。

旧規則機の撤去については(一部例外的に検定期間が残っていたエリアを除くと)概ね順調に行われた。この点は素直に評価したい。ただし全てが新規則機に置き換わったわけではなく、「店内にはベニヤだらけ」そんなパチンコホールが全国で多数見られていたことは事実である。なお、「1月中に発売されたどの新台よりも『ベニヤ』が最多導入だったはず」、そんな風に揶揄する人も確かに居たものだ。

むろんホームページを閲覧しても「ベニヤで封鎖した遊技台の数」など記載されているわけもなく。あくまで推計しか出来ないことを前提に弊社で集計を試みたところ、「全体の10%以上となる遊技台を間引きしたホール」だけでその数は当時300軒ほどに上っていた点を付記しておきたい。

2月に入り「ベニヤだらけ」のパチンコホールが続出、新規則機へ入れ替える余裕の無い閉鎖予備軍が多数あって閉店ラッシュはまだまだこれからか

また、2月に入っても当然のように閉店を選択するパチンコホールは多数出ていた。パチスロ6号機の不振は如何ともし難く、特にパチスロ専門店は苦境に喘いでいたと評さざるを得ない。そんな中で2月7日より休業した石川県の『パラダイス加賀店』では「6号機ではお客様に満足して頂く事が難しい」とホームページ上で苦しい胸の内を吐露していた。

石川県加賀市のパチスロ専門店『パラダイス加賀店』が2月7日より休業へ、「6号機ではお客様に満足して頂く事が難しい」と

むろん集客に苦慮していたのは大手チェーンも同様であり、小規模ホールを中心に閉店・休業を進めるケースが多数出ている。松原興産グループでは4軒のパチンコホールを2月1日より休業としていたものだ。また合わせて「パチスロ機の減台」に取り組むホールも数多く、超巨艦ホールの『ZENT名古屋北店』でも100台ほどのパチスロ機をパチンコ機へと変更していた。

超巨艦ホール『ZENT名古屋北店』がパチンコ増台・パチスロ減台のリニューアルを実施、同時に計296台もの入替を敢行している

ちなみに新築でのグランドオープンがだいぶ減少したことも2022年全般の傾向といえる。しかし一方で居抜き出店案件は少なからず出ていて、2月2日には北海道日高郡で『monako monako』がグランドオープンしている。また、福島県を代表するパチンコチェーン「ニラク」が2月11日に『ニラクひたち野うしく店』を居抜き出店。これは2020年8月に新築オープンした『ニラク郡山大町店』以来で、同社では約1年半ぶりの出店案件だった。

ニラクグループが1年半ぶりの新規出店、パチンコ店『ニラクひたち野うしく店』(茨城県牛久市)が2月11日グランドオープン

コロナの感染拡大が再び懸念されていたのもこの頃で、遊技しながら加熱式たばこを吸う人に対して忌避感を示す顧客が出始めていた。そうした状況に対応するため、「加熱式たばこプレイエリア」を一時休止とするパチンコホールが複数見られていたことも2月期におけるトピックスの一つである。

コロナの感染拡大により「加熱式たばこプレイエリア」を一時休止とするパチンコホールが増加中、(喫煙所を除いて)ホール内での喫煙禁止へ

更に、コロナの影響および人件費削減も踏まえて、「セルフカウンター」を設ける店舗が増え始めたのもこの時期だった。数年前までは(パチンコ店における「セルフカウンター」の導入是非について)判断の難しいグレー部分とも言われていたはずだが、いつの間にか大手チェーンでも導入店は珍しくなくなっている。

札幌駅前のパチンコ店『タワーひまわり』がセルフPOS導入へ、コロナ禍以降にパチンコホールでもセルフカウンターを設ける店舗が増加中

また、アビバグループが神奈川県の『スーパーDステーション海老名店』を事業承継したのも2月における注目トピックスの一つだろう。今やパチンコ業界を代表する一大チェーン企業となった「NEXUSグループ」において『スーパー』の屋号を冠す店舗を閉鎖(売却)するのはこれが初めてだった。

再出発への準備か、神奈川県海老名市のパチンコ店『スーパーDステーション海老名店』が2月28日を以って閉店に

いずれにしても2月期はとかくパチスロ不振を嘆く声が多かったもの。ここから1年も経たずに状況が大きく変わるとは、正直想像していなかった人が大半ではないだろうか。3月期編へ続く。


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