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警察庁保安課の池田課長補佐による講話(全文掲載)

次に、営業所のATM等の撤去等については、基本計画において、ぱちんこ業界が昨年度中に、ATM及びデビットカードシステムの撤去等に向けた検討に着手し、その結果に基づき順次、撤去等を推進することとされており、業界のガイドライン等においてもその旨盛り込まれたと承知しています。基本法により設置されたギャンブル等依存症対策推進関係者会議では、複数の委員からATMに対して厳しい意見が出され、また、引き続き順次撤去することを期待する旨の指摘もされているところ、このような状況において、同会議等において賛同が得られるかという視点も考慮した上で、業界として基本計画に基づく取組を推進するようお願いします。この点、日本遊技関連事業協会の会員である複数の企業が、現在営業所に設置しているATMについて順次撤去していくこととし、また、和歌山県で策定・公表された「和歌山県ギャンブル等依存症対策推進計画」においては、「現在、ATMを設置しているぱちんこ営業所はないものの、一部のパチンコ営業所では、デビットカードによりぱちんこができるシステムが導入」されていることを受け、「全てのぱちんこ営業所のデビットカードシステムの撤去を推進」する旨が盛り込まれていると承知しています。このような情勢を踏まえ、着実に取組を推進されることを期待しています。

次に、依存症対策にかかる連携協力体制の構築については、昨年、厚生労働省から各自治体に発出された通知を受けて、すでに連携会議が設置された自治体もあり、業界の中でも、これら連携会議等へ参画しているところがあると承知しています。引き続き、連携会議等への積極的な参画を通じるなどして、他の関係機関との円滑な連携を確保するとともに、情報共有等を図ることで、依存症に苦しむ本人や家族のためにより有効な支援がなされるよう、取組を進めていただきたいと思います。

次に、ぱちんこへの依存問題やその対策に関する普及啓発については、本年5月のギャンブル等依存症問題啓発週間において開催が予定されていた「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」が、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったと承知しています。しかしながら、こうした依存問題に関する普及啓発活動は、こうした機会に限られるものではありません。是非年間を通じた活動の推進をお願いしたいと思います。また、昨年と同様に、来年以降も、ギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深めるという啓発週間の趣旨にふさわしい取組がなされることも期待しています。

次に、自助グループをはじめとする民間団体等に対する経済的支援については、昨年11月に「パチンコ・パチスロ社会貢献機構」が設立され、本年度は6団体に対して助成を行うものと承知しています。引き続き、ぱちんこへの依存問題の予防と解決に取り組む団体等に対する積極的な支援をお願いします。また、リカバリーサポート・ネットワークについても、ぱちんこ依存の問題を抱える本人及び家族に対する個別相談事業を継続的に行っているところ、ぱちんこ業界全体で継続的にその活動を支えていただくよう、お願いしたいと思います。

さて、今申し上げたようなギャンブル等依存症対策の実効性を最大限に確保するためには、徹底したPDCAサイクルにより計画的な取組を推進することが重要であるとされています。本年から開始されている一般社団法人遊技産業健全化推進機構による依存防止対策の実施状況調査等を通じて、各ぱちんこ営業所における取組の進捗状況を把握するなどして、適宜改善を促進してもらいたいと思います。

以上、ぱちんこへの依存問題への対策についてお話ししてきましたが、この依存問題については、多くの方の高い関心が集まり、業界としての取組が注目されています。厳しい状況が続きますが、今一度、ぱちんこ遊技が潜在的に持つ負の側面から目を背けることなく、問題解決に向けて業界全体で真摯に取り組んでいただくことをお願いします。

次に、旧規則機の撤去についてお話しします。

既にご存じのとおり、本年5月20日に国家公安委員会規則を改正し、旧規則機の撤去に係る経過措置期間を1年延長しました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、メーカーにおいて海外からの部材調達が不安定化するなどにより、新規則機への入替が困難となっていること、また、このままの期限で遊技機の入替を求めた場合、短期間に大量の遊技機の入替を行うことにより、入替作業等に伴う感染リスクを増大させるおそれもあることから、遊技機の入替時期を分散化させる必要があるとの判断の下、行ったものです。したがいまして、撤去時期がそのまま1年後ろ倒しになり、結局、経過措置期間満了間近になって撤去が集中してしまうという事態は絶対に避ける必要があります。また、経過措置期間の延長により、射幸性の抑制という命題が後退したと社会一般の視点から受け取られてもいけません。こうしたことを受け、パチンコ・パチスロ産業21世紀会において決議が行われ、具体的な数値目標を示して遊技機の計画的な撤去を行うほか、「特に高い射幸性を有すると区分した回胴式遊技機」についてはこれまで通りの満了日までに撤去することとされており、これら決議に基づく取組の実効性を担保するため、ぱちんこ営業者、遊技機製造業者、販売会社等の各団体が一致団結して様々な取組を行っているところと承知しています。引き続き、業界をあげて旧規則機が計画的に、着実に撤去されるようお願いします。

また、旧規則機の撤去に伴い懸念されるのが、遊技機の廃棄問題です。現状においてもホールの倉庫等に今後設置することのない遊技機が大量に保管されているという話が継続的に聞こえるところ、過去のように、遊技機の野積みといった形で問題を繰り返さないことが求められます。一部地域においては、関係団体と調整した上で、計画的な廃棄処理に向け動いているところもあり、過去の反省が活かされた取組であると評価しています。計画的な旧規則機の撤去で入替を分散していただくことはもちろん、旧規則機の適正かつ計画的な廃棄処理についても遺漏のないようお願いします。


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