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【レポート】M&Aを成功に導くポイントは早めの決断

過去最高を記録したM&Aの件数

2021年度版の中小企業白書によれば、国内でおこなわれたM&Aの件数は2020年度こそコロナ禍の影響により3730件となったものの、2019年度は4000件を超え、過去最高を記録している(図1)。

パチンコ業界においても経営店舗の一部を他社に売却するといった動きがみられ、2020年の1年間に104件のM&Aが実施された(編集部調べ)。

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業界で実施されているM&Aは一般的に店舗の経営権ならびに遊技機や周辺機器などを買い手側企業に譲渡するというもの。従業員の雇用継続が条件になっているケースも少なくないだろう。

こうしたM&Aの形態がある一方、売り渡し側企業の事業がパチンコ店の運営ばかりではなく、異なる事業の展開もはかってきていれば、すべての事業を手放す選択もありうる。経営者の高齢化がすすむなか、親族のなかにさえ後継者がみつからないようなケースだ。

M&Aを仲介する機関としては取引銀行や地元の商工団体、さらに民間のM&A事業者などが考えられるが、民間M&A事業者は数がきわめて多いうえ、売り手側の業種について実績がないばかりか、不明朗な経費を請求してくるM&A事業者もいるらしい。

ただ、多くの企業経営者にとってM&Aの検討や交渉はこれまでにない経験であり、会計、税務、法律といった専門知識も必要不可欠だ。

有効に活用すべき公的M&A支援

中小企業の成長戦略や事業承継を支援する独立行政法人「中小企業基盤整備機構」(以下、中小機構)の事業承継・再生支援部参事である美野洋二氏はM&Aの実情についてこう話す。

「事業承継を模索しながらもどこから手をつけていいのか、まったくわからない状態の経営者がほとんどです」

中小機構は全国47都道府県に設置されたM&Aの公的支援機関「事業承継・引継ぎ支援センター(以下、センター)」をサポートしている。では、「センター」はそれぞれどのような役割をはたしているのだろうか。

「センターは産業競争力強化法に基づき、事業承継に関するさまざまな課題の解決を支援する相談窓口です」(美野氏)

支援の流れはおおまかにつぎの3項目となっている。

①相談対応(一次対応)=相談対応を通じ、事業引継ぎ支援の可否を判断

②登録機関への橋渡し(二次対応)=相談案件をセンターの登録機関(仲介業者、金融機関など)にとりつぐ

③センターによるマッチング(三次対応)=マッチング相手がいる場合や登録機関の不調案件をセンターが士業法人などを活用してマッチング

「相談案件は2018年度~2020年度までの3年間だけでも3万件以上におよび、その内容は事業承継をスムーズに成功させる手順のほか、事業を引き継いでくれる相手の探し方、あるいは自社の価値を正確に把握する方法など、多岐にわたります」(同)

センターではこれらの相談に無料で応じ、まずは事業承継の方向性を相談者とともに整理していく。経営者によっては長らく消費者に提供してきた製品またはサービスの質に対するこだわりのみならず、ブランドネームの維持や全従業員の雇用といったこだわりもある。なおかつ長年のライバル企業にだけは事業を引き渡したくないとの心理もはたらく。だからこそM&Aの交渉に際してどこまで妥協できるのか、あらかじめ優先順位をつけておくのだ。

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