浜友観光グループの新店『楽園 立川店』(東京都立川市)が、8月7日にグランドオープンした。同店は、2020年2月にガイアグループから取得した巨艦店舗『メガアイオン立川店』跡地での居抜き出店となり、遊技機設置台数は前店より2台多い1552台(パチンコ・パチスロ合計)。東京都内のパチンコ店の中では『エスパス日拓新宿歌舞伎町店』(1687台)に次ぐ、2番目の台数規模となっている。編集部では同店のオープン日である8月7日午後に調査を実施した。
今夏最大の話題店だけに午後4時頃の調査時には稼働率94.5%(※今回調査時は離席中の台についても1人としてカウントしている)とほぼほぼ全席が埋まっており、常にユーザーが入口から流れ込み空席を探している状態だった。同店は4フロア構成で、駅ペデストリアンデッキからは2階4円パチンコフロアに直結、地上階からは階段またはエスカレーターで2階か地下の4円パチンコ、1円パチンコフロアへアクセスする形となっている。1階にはドラッグストア、飲食店が入居しているが他はすべて『楽園』のスペースだ。
設備面ではパチンコ・パチスロ全台に各台計数機が導入され、データフラッグで出玉感をアピールしている。また加熱式たばこ喫煙可能エリアはないものの、各フロアには喫煙スペースが配置されており、現在はコロナ禍で立入人数を8人程度に制限されてはいるがゆうに20人は入るだろう広めの空間となっている。またHP上で「都内最大級のゆとり×スペース」と案内されているように島間や休憩スペース、階段、喫煙所と同規模のホールと比較して圧倒的に配置の余裕が感じられる。取得からオープンまでにしっかりと時間を取った分、コロナ禍やコロナ後も意識した次世代型のつくりと言える。
遊技環境は快適でほぼフル稼働と一見完璧な店舗だが、遊技をしていた実際の客数はやや少ない。喫煙所利用の関係と思われるが同店では休憩札をセルフサービスで運用しており、一部主力機を除けば休憩で離席している台が1割近く出ていた。
勿論、まっとうな離席理由がある場合もあるが喫煙所はそれほど混み合っておらず、バラエティーコーナーや1円パチンコで特に離席が目立つ状態である。さらには上皿・下皿にほとんど玉・メダルのない状態で札のみがささった台が多数あり、解放も客が店員に声をかけて確認を行ってようやく、という状況だ。やめる際にとりあえず札をさす、自分の台をキープしつつ良い台が空くのをまって店内をうろつくなど、グランドオープンで出玉狙いの客ばかりになっていたこともあってセルフの休憩札が悪用され、対策が追いついていなかったと思われる。主力機が併設されている地下~3階フロアまでは多数の離席が出ていた一方で、6号機と5円パチスロで構成する4階フロアについては離席がほとんどなく、単純に多数の空席が出ていたことからも問題は明らかだ。またパチスロの空席は大半が6号機であり、同機が中心の4階フロアに固まっていた。6号機内ではある程度評価の固まっている人気機種もまとまって設置されているにもかかわらず席が埋まらない状態と新規則機パチスロの不振もまたどうしようもない。
その他の問題として、ゆとりのある空間に対して全台が各台計数機となっている為、出玉感が全くと言っていいほど感じられないのも気になる。『楽園』の最大のライバルとなる『ハイパージアス立川』では圧倒的な玉積みが見られ、主力の「海物語」コーナーはいつ訪れても玉積みで島中の通路を通れないほどである。他の周辺店も各台計数機メインではあるが、グランドオープンの『楽園』よりも『ジアス』のほうが盛況に見えてしまうのは玉積みの影響と、『楽園』の離席率の高さによるものだろう。
都内最大級の設置台数に『楽園』のブランド力と、立川駅前で存在感を放つ店舗だとは感じられるがグランドオープンの賑わいが過ぎ去れば一番店の座は『ジアス』に落ち着くだろう。今回のオープンが最も響くのは駅からの動線の一方を抑えられる『PREGO』だが、同日『楽園』に対抗して店舗前での呼び込みを強化していた『ジアス』や『Super D’station』に対して『PREGO』はやや静観の構え。ガイアの『メガアイオン』から浜友の『楽園』に変わったことで力関係はどうなるのか。運営力が試される。
グランドオープンの割りにスロットは低設定が多く
噂ほどの店ではなかった
それが二日目のグランドオープンの開店時に良くわかる
四階はがら空きだった