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【レポート】8月末の新規則機比率、69.16%で足踏み

本稿では弊社DB「新P-Search」をもとにした最新の新規則機比率とグループ別での比率を掲載する。2021年8月24日時点のDB上における総設置台数(集計台数)のうち正確に算出出来た台数(算定台数)のみを対象としており、全体のカバー率は92.1%。掲載する数値はいずれも算定台数ベースのため、実際に設置されている台数とは異なる場合がある。前回の数値は8月4日時点のデータを参照した。

新規則機比率と増加数の推移
集計日 比率 新規則機増加数
合計 パチンコ パチスロ
5月10日 61.07% - - -
6月3日 62.91% 71,639 53,368 18,271
6月30日 65.16% 74,887 55,512 19,375
8月4日 68.05% 90,997 76,771 14,226
8月24日 69.16% 53,204 39,119 14,085
全国パチンコ店における新旧規則機設置台数と比率[集計日:2021年8月24日]
旧規則機 新規則機 総設置台数
(算定台数)
集計台数 カバー率
台数 比率 台数 比率
パチンコ 504,008 23.69% 1,623,910 76.31% 2,127,918 2,320,011 91.7%
パチスロ 578,041 41.85% 803,170 58.15% 1,381,211 1,490,218 92.7%
合計 1,082,049 30.84% 2,427,080 69.16% 3,509,129 3,810,229 92.1%
パチンコ前回比 ▲ 26,222 95.05% 39,119 102.47% 12,897 19,504 -
パチスロ前回比 ▲ 6,128 98.95% 14,085 101.78% 7,957 8,670 -
合計前回比 ▲ 32,350 97.10% 53,204 102.24% 20,854 28,174 -

※データは弊社DB「新P-Search」より、インターネット上に公開されている情報にもとづく。グループ別のランキングは算定台数と集計台数の差異が大きい店舗を除いた。「前回比」は2021年8月4日調査時の数値。

8月24日時点の全国ホールにおける新規則機比率は69.16%で前回の68.05%から1.11ポイントの上昇。8月は五輪の影響から目標値は設定されていないものの、7月末の目標値「75%」から9月末の「80%」までの調整期間としては全く入替えが進んでいない。期間中の新規則機の増加数もパチンコ・パチスロともに集計を開始した5月以降で最低値を更新している。

8月期の新台では、パチンコで「PF機動戦士ガンダムユニコーン」が約2万5000台導入されるなど約10機種合計で6万台超は新規則機の導入が行われていたが、単純な新規則機増加数は約4万台と2割強は新規則機間での入替えである。それでも残る旧規則機数は50万台超と年末年始に例年並みの新台が販売されればすべて新機種で置き換えていくことは可能だ。

「PF機動戦士ガンダムユニコーン」
©創通・サンライズ

一方のパチスロは「まどマギ前後編」、「コードギアス3」など約4機種で4万台超の導入だが増加数はわずか1万4085台と、旧規則機の削減は新台のわずか3割強に過ぎない。結果として現状は旧規則機を維持するために倉庫等で保管されている新規則機が増えており、旧規則機の残存数と同数の新台が今後必要になるとは考えられない状況だ。

当然、パチンコもすべてを新機種で置き換える必要性は弱く、中古機等での入替えも考慮すると大量に新台の販売予定が挙がったとしてもホールの需要ははるかに小さい恐れすらある。

今後の予測値についてだが、新台導入スケジュールから9月期は現状から大きく動く可能性は低く70~71%の見込み。10月期には「沖海5桜ミドル」や「ファンキージャグラー2」など大量導入予定の機械もあるが、8月末時点から新規則機が10万台増で約72.6%、15万台増でも約74.1%止まりと目標値には及ばない。

設置台数上位10グループにおける新規則機比率
グループ名(主な屋号) パチンコ パチスロ 合計 カバー率
算定台数 新規則機 比率 算定台数 新規則機 比率 算定台数 新規則機 比率
マルハングループ 140,285 106,069 75.6% 77,056 41,545 53.9% 217,341 147,614 67.9% 99.5%
ダイナムグループ 144,190 105,761 73.3% 63,271 39,806 62.9% 207,461 145,567 70.2% 99.8%
キコーナグループ 52,134 40,776 78.2% 32,657 19,435 59.5% 84,791 60,211 71.0% 99.9%
ガイアグループ 37,240 27,729 74.5% 38,805 22,110 57.0% 76,045 49,839 65.5% 99.9%
NEXUSグループ(D’station) 31,432 27,610 87.8% 21,244 14,949 70.4% 52,676 42,559 80.8% 99.9%
延田グループ(123) 28,989 22,684 78.3% 20,189 10,917 54.1% 49,178 33,601 68.3% 99.6%
タイラグループ(ワンダーランド) 18,170 13,976 76.9% 10,927 5,892 53.9% 29,097 19,868 68.3% 99.9%
ベガスベガスグループ 15,909 13,373 84.1% 11,654 8,014 68.8% 27,563 21,387 77.6% 99.9%
ニラクグループ 17,496 13,482 77.1% 9,776 6,100 62.4% 27,272 19,582 71.8% 99.9%
松原興産グループ(京一) 14,092 7,503 53.2% 8,657 2,789 32.2% 22,749 10,292 45.2% 98.3%

大手グループの移行率では「甘海」系の販売もありダイナムの新規則機比率が伸長。マルハンは前回からパチスロの減台が目立ち、算定台数が減少。ただしパチスロ新規則機比率の変化はわずか0.01ポイント減と、単に新規則機のみを減台したのではないようだ。また、飛び抜けて移行率の高いNEXUSも8月期は前回から合計比率は0.4ポイント増と足踏みしている。

なお余談だが設置台数上位10グループの掲載表については、総設置台数10位のグループが毎月変動してしまっている。約2万~2万3000台の範囲だけでも8グループが固まっており、今回11位だったABC松原興産の差は僅か350台ほど。前回10位のガーデンも期間内に1店舗が閉店となったことで12位へ低下と変動が激しい。さらに補足だが実質的な台数順では一六商事(MGM)が3万台超で上位に入るのだが同グループは集計のカバー率が基準を満たしていないため、グループ別の順位には反映していないことをご承知おきいただきたい。


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